広島の緑井と呼ばれる地区にある権現山。
その権現山に毘沙門天と呼ばれるお堂が建っているのですが、そこで毎年、旧暦の初寅の日に行われているのが初寅祭です。
初寅祭は胡子大祭(えびす講)や宮島さんに次ぐ、広島の三大祭り。
商売繁盛のご利益があるということで、沢山の人で賑わいます。
筆者は子供のころから初寅祭に行っているのですが、とにかく参拝者が多く、屋台や地元の町内会の出店があるので盛り上がっています。
さらに、2日に渡ってお祭りがあるのですが、この時だけご本尊が御開帳されるので、御開帳時間はお堂の前に長蛇の列ができます。
今回は初寅祭の様子やご本尊の御開帳について詳しく解説します。
【2023年の初寅祭の開催日】
2023年の初寅祭は2月4日、5日です。
ご本尊の御開帳は時間を決めずに、初寅祭の間はずっと行われています。
初寅祭ってどんなお祭り?
初寅祭は緑井の権現山にある毘沙門天で行われるお祭りで、商売繁盛のご利益があるとされています。
お金に関するご利益があるということで、経営者や事業を営む人など商売繁盛を祈る人、家内安全を祈る人が沢山訪れます。
他県からも参拝に来る方がいるくらい有名なお祭りで、当日の参道は屋台や出店が出て賑わっています。
また、ご本尊である毘沙門天像が初寅祭の日だけ一般の人にお披露目(御開帳)されます。
そのため、御開帳の時間には本堂の前に行列ができます。
毘沙門天というのは仏教の世界では「多聞天(たもんてん」と呼ばれる仏様で、北方の守護神。戦国時代に武田山にお城(銀山城)があったのですが、そのお城から見て北にあるということで、城主の武田氏も信仰していたと言われています。
毘沙門天の御開帳とは?
毘沙門天の本堂には行基の作と伝えられる毘沙門天像が本尊として祭られています。
このご本尊は厨子(ずし)の奥にあり、扉が閉まっているのでるので普段は見ることができません。
それが、初寅祭の2日間だけ厨子の扉が開かれるので、一般の人でも見ることができます。
毘沙門天は七福神の一人でもあり、東大寺には下記の写真のような毘沙門天(多聞天)像があります。
いつもは決められた時間だけの御開帳だったのですが、混雑を避けるため2020年以降、初寅祭の間は常に御開帳が行われています。
毘沙門天の場所とアクセス方法
緑井の毘沙門天は住宅街を抜けた山の中にあるので、少し交通が不便です。
アストラムラインの毘沙門台駅から歩いて30分くらいなのですが、山の上を目指して上っていく感じになります。
なので、歩きやすい靴などで出かけるのがおすすめです。
毘沙門台駅で降りたら安佐中学校の正門を目指すと、毘沙門天への参道も見えてきます。
バスの場合は毘沙門台線を利用して毘沙門天停留所で降りると、山門まで少し歩くだけで到着します。
初寅祭の様子をレポート
では、初寅祭はどんな様子なのか?
ここからは当日の様子を紹介します。
筆者はいつもアストラムラインで毘沙門台駅まで行って、そこから参道を上っていきます。
参道の入り口には屋台がちらほら。
道の途中にも屋台があります。
こんな感じでしばらく道を上がっていきます。
道が狭く、かなり急な上り坂もあるので、体力に自信がない人はバスを使って山門の近くの停留所まで行くのがベストです。
ため池を過ぎると階段があるので、この階段を上ると少しだけショートカットになります。
階段を上がると石の鳥居。
右手に参拝者用の駐車場もありますが、初寅祭の日は利用できません。
鳥居をくぐって少し進むと、毘沙門天の山門が見えてきます。
写真を撮り忘れたので別日の写真を載せておきますが、こんな感じで雰囲気のある石段を登っていくことになります。
ここまでくればあともう少し。
最後の階段を昇れば目の前に手水舎があります。
この日は夕方くらいに行ったので比較的人も少なかったですが、これから夜にかけてだんだんと人が増えていきます。
とは言っても、お守りや寅の張子を購入する人で溢れかえっていますけどねw
時間になるとご本尊が御開帳。
この頃には特産の人がお参りをされています。
初寅祭は商売繁盛のご利益があるということで、商売をされている方がたくさん来られているという印象です。
筆者の知り合いには、初寅祭には必ず訪れているという凄腕の営業マンや、毘沙門天にお参りしてから営業成績が良くなったという人もいるので、興味があれば一度出かけてみてください。